二硫化モリブデンの問題点(Ⅱ)

ここで誤解のないようにご注意いただきたいのは,酸化して発生する三酸化モリブデンそのものは酸化鉛に次ぐほど摩擦係数の低い物質であり,酸化することによって潤滑性能をまったく失うわけではないということです。また、二硫化モリブデンの限界温度=潤滑剤としての使用限界という図式とは限りません。これは二硫化モリブデンの問題点のも一つです。

ただし,分解により発生した硫黄ガスが近傍の金属を硫化させる場合があるので,二硫化モリブデンの分解温度以上での使用には部材・用途など注意が必要です。

さて,話は冒頭に戻りますが二硫化モリブデンの最大の欠点はそもそも固体粉末であるということで,固体であるがゆえに摩擦部分への吸着性・保持性は液体に劣ります。そのため摩擦部分にどのような形態で塗布,付着させるかが固体潤滑剤として使用するノウハウとなります。

二硫化モリブデン

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