モリブデンの汚染脆化の注意(Ⅱ)

(3)ブラックワイヤのグラファイト層を水素で除去する際には、湿潤水素を用い1,300~1,500℃ 程度の処理を行う。また、グラファイトを除去した線(化学仕上げ、焼鈍仕上げ線等)の熱処理に際しては、特に前工程での油脂、汗類の付着防止あるいは、その除去を徹底する必要がある。

(4)材料(線・棒・板等)の熱処理に際しては、水素炉の保守に細心の注意を払い、常にきれいな状態にして置くことが必要である。

①炉ヒータの交換の際には、著しく変色した耐火物の再使用は危険であり新品を補充することが必要である。

②炉ヒータの交換後の炉の空焼きを充分に行う必要がある。

③モリブデン材料の熱処理炉には、それ以外の材料、例えば鉄棒、ニッケルボート、カーボン、ステンレス鋼、青銅等のジグ部品を入れ、炉を汚染してはならない。

④ニッケル線、銅線等の熱処理炉とは必ず別にして、共用による炉の汚染をしてはならない。

モリブデン

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